生かせいのち

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「冷たい」八功徳水その二

 極寒の渓谷、流れ落ちる瀧の水に身をまかせ、一心にご真言を唱え続けます。
やがて水の冷たさが薄れ、高揚感に包まれながらの一時。
終えて後、身体を拭って衣を身にまとったころから、温かさと清涼感が入り交じりわきあがってきます。
人間もその他の動物も、過去の経験から現在の心境を推し量りますが、何処までも対比して是非を判断しているに過ぎません。
 人の表情や他人の態度も、冷たく冷ややかに感じるか、凛として爽やかに感じるかは、それまでの経験値によって変わってきます。
 どんなにお願いしても、願いが叶わないと、神仏を恨んだり、誹ったり、神も仏も無いように嘆きます。
ところが、失敗を重ね、世間に迷惑をかけ、後悔や後ろめたさに包まれながら、ご本尊様にお参りしたからといって、お大師さまが貴方をたたくわけではありません。何時までも何処までも優しく見守って下さっています。何もしないのではなく、待っていて下さいます。母親のように。最後まで貴方の味方でいて下さいます。凛として。

2010年06月03日(木)|カテゴリー:伝道はがき通信